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昔懐かしいレンタルビデオの思い出

実家の片付けをしていたら、ダンボールの隅っこから、昔よく通っていたビデオレンタル店の会員カードが出てきました。
もう何年も、いや下手したら十数年も見ていない、プラスチックのペラペラのTSUTAYAの青と黄色のカードです。
それを見た瞬間、頭の中に一気にあの店の匂いが蘇ってきたんですよね。
あの特有の匂いと独特な空間。懐かしくて、しばらくそのカードを手に持ったまま、昔のことに浸ってしまいました。
あの頃のレンタルビデオ店って、週末になると本当に一大イベントでしたよね。
金曜日の夜や土曜日の昼下がりに、「どの映画を借りようか」って家族や友達と自転車を走らせたり。
お店に入った瞬間にずらっと並ぶビデオテープや、後から出てきたDVDの棚を見るだけで、なんだかワクワクして胸が高鳴りました。
特に思い出深いのは、お目当ての作品の棚に行ったときのあの絶望感というか、ドキドキ感です。
棚の上のほう、一番目立つ位置にあるお気に入りの映画のケースを見るんだけど、肝心のケースが入っていない。
透明なケースの隙間から「貸出中」の札がチラリと見えているときのあのガッカリ感は、今でも鮮明に覚えています。
逆に、棚の奥の方にひっそりと隠れていたお目当ての作品を見つけたときは、心の中でガッツポーズをしたりして。まるで宝物を見つけたみたいな嬉しさがありましたよね。
今のサブスクみたいに、ボタン一つでいつでも何でもすぐに見られる時代とは違って、「今、この瞬間に借りられるかどうか」の運みたいなものがあったんですよね。
それから、映画を選ぶときの「ジャケ買い」の楽しさもありました。
大して予備知識もないまま、パッケージの裏側のあらすじをじっくり読んだり、写真を見ながら「これ、面白そうじゃない?」って恋人と言い合ったり。パッケージの雰囲気に惹かれて借りてみたものの、いざ家で見たら全然B級映画で、逆にそれが大ヒットで盛り上がったりするのも、今となってはいい思い出です。
家に帰ってきてからも儀式みたいなものがありました。
ビデオデッキに「ガチャン」と音がするまでテープを差し込んで、テレビのチャンネルをビデオ入力に切り替える。あの、再生ボタンを押したときの少しざらついたノイズの向こう側に広がる映画の世界。
たまに、前の人が巻き戻しをしていなくて、最初の数分間ガーッと巻き戻す音が聞こえてきたりするのも、お約束の風景でした。
見終わったあとも大変で、次に借りる人のために「ピーッと音がするまでちゃんと巻き戻しておきなさい」って親によく言われたものです。
あの巻き戻しの時間すら、映画の余韻を味わう大切な時間だった気がします。
そして何より忘れられないのが、返却期限のプレッシャーです。「〇月〇日までに返却」のハンコが押された袋をカバンに入れて、翌日学校や仕事の帰りに慌ててお店の返却ボックスに放り込む。
あのときの「間に合ってよかったー!」という謎の達成感は、今の便利すぎるデジタル生活では絶対に味わえない感覚だなと思います。
時代の流れで、お店はどんどんなくなってしまって、今ではスマホやパソコンの画面一つで何万本もの映画がいつでも見られるようになりました。
すごく便利だし、見たいと思った瞬間に見られるのは最高です。それはもう疑いようのない事実です。
でも、あの不便で、でもワクワクが詰まっていた空間や時間には、やっぱり独特の温もりがあったなと思うんです。
わざわざ店に足を運んで、棚を端から端まで眺めて、これだ一本を選び抜く。あのめんどくささの中にこそ、映画に対する特別な特別感があった気がします。
ふと出てきた古い会員カードを眺めながら、あの頃のワクワクした空気感を、少しだけ思い出せた休日の午後でした。

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